学長挨拶

専修大学長 佐々木 重人
専修大学は、1880(明治13)年に創設されました。相馬永胤、田尻稲次郎、目賀田種太郎、駒井重格の4人の創立者たちは、アメリカのコロンビア大学、エール大学、ハーバード大学、ラトガ-ス大学に留学し、帰国後、自ら学んだ経済学や法律学を社会に還元すべく「専修学校」を創立しました。当時、官立の専門学校には、高い学費と、「洋語に達し、原書に通ずるにあらざれば就学するを得ざれ」、という二つの大きな障壁が設けられていました。創立者たちは「創立趣旨」のなかで、こうしたハードルを取り除き、広く学ぶ意欲のある学生を募ると、専修学校創設の意義を高らかに謳いあげています。つまり、日本語による専門教育を展開することにより、近代国民国家の屋台骨を支える人材を幅広く育成しようとしたのであります。

創立から140年以上が経過したとはいえ、本学の歴史は決して平坦なものではありませんでした。なかでも関東大震災や第2次世界大戦の惨禍、2011(平成23)年の東日本大震災、近年ではコロナ禍など、さまざまな困難に直面した歴史を持っています。しかしこれらの困難を克服し、その都度再起することができたのは創立者たちの大学への熱い思いと、それを受け継いだ教職員?卒業生?学生、そのご父母?保護者たちの尽力によるものでした。学長の私と致しましても、学灯を守り、さらに次の世代に確実にバトンタッチしていきたいと思っています。

戦後44年にわたって続いた東西冷戦時代が終焉し、世界は一極集中から、さらに最近では多極化の様相を呈しています。ロシアによるウクライナへの侵攻や国家間対立、さまざまな民族紛争、また文化の領域においては宗教対立や文化摩擦などいよいよ混迷の度を深くしているように思われます。本学では21世紀の教育目標を「社会知性の開発」と定め、新しい時代にふさわしい高等教育機関としての教育目標を提起しました。それは現代の社会に生起するさまざまな課題を地球的視野に立って自ら発見し、進んで解決する能力を身につけることであります。こうした目標に基づき、本学では学部?学科の新設や再編を積極的に推し進め、「社会知性の開発」の可視化及び具体化を図ってきました。
さらに、2022(足球365比分_365体育投注-直播*官网4)年からは全学部で「Siデータサイエンス教育プログラム」を開始し、2023(足球365比分_365体育投注-直播*官网5)年度からは「応用発展レベル」も展開いたしました。Society5.0で必須のスキルを全学部で修得できるように整えたこのプログラムは、おかげさまで文部科学省「数理?データサイエンス?AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)」に全学部(※)が認定されました。2026年度には全学部一斉にカリキュラム改正を実施いたします。
※2023年度以降の入学者(ネットワーク情報学部のみ2019年度以降入学者)

こうした大学づくりには、キャンパス